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旧来住家住宅からのお知らせ

2015年04月17日

河野好文木工作品展「木創人」

4月15日(水)から30日(木)の15日間、旧来住邸母屋ギャラリーで河野好文さんの木工作品の展示をしています。

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河野さんが旧来住邸で展示をするのは今年で3回目。
今年は「木創人(もくそうじん)」というタイトルで、木地師としての今までの経歴、受賞作品もずらりとならびます。

河野さんの主な受賞歴

平成21年 第30回三田市美術展 工芸部門 奨励賞
平成23年 加東市公募美術展 工芸部門 奨励賞
平成24年 第6回加東市公募美術展 彫刻工芸部門 優秀賞
平成25年 西脇市美術展覧会 工芸の部優秀賞
平成26年 第64回加古川市美術展 ウェルネス協会理事長賞
平成26年 第61回明石市美術展 一般の部工芸部門入選
平成26年 第48回加西市美術公募展 入選
平成26年 第10回多可町公募美術展彫塑・工芸の部入選
平成26年 第62回西脇市美術展覧会工芸の部奨励賞
平成27年 第61回三木市展彫塑工芸の部入選


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左側の白っぽい方がお気に入りの紅葉の木でできたお盆。右はトチの木のお盆です。
どちらも樹脂が生み出す光沢が見事。


河野さんは木地師(きじし)という職人で、自らの足で踏んでまわす、足踏みろくろを使われています。
素材となる木材はろくろで高速回転し、側面や内側を掘ることで器や木の皿、お盆とさまざまにその形を変えます。

木工を始められたきっかけとして、亡くなったお父さんの7回忌の後、工房にまだ加工のされていない木が並んでいて、それを見て親父の背中を思い出したと河野さんは言います。
親子2代に渡り続けていた木地師という職人仕事を、自分もやってみようと決意されてからは仕事の傍ら工房でろくろを回す日々が続きました。

彫るだけで光沢が出るほど硬い木材を彫るのには、大変な危険がともないます。
が、今では足踏み式で回すろくろは日本で河野さんの使われるものが最後の一つになってしまったそうで、これを後の世に残していくことが河野さんの願いです。

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日常使いとしても重宝しそうな作品群。

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壁からぶら下がっているのは「エサ入れ」だそうですが、工夫次第で調味料入れや色んなものに変身しそうです。


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こちらは屋久杉を使って彫られた「曲水」という作品。
水の上に波紋が広がりその上を紅葉が踊っているよう。
大皿と小皿の配置でさまざまな景色に変化します。

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菊の花びらにだけ彩色が施された一枚。
人の手を感じさせる手前の静物と、木肌が織りなす景色のような模様が見事に溶け合って日本の和(輪?)を感じさせます。

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ここでクイズ。
なんて読むかわかりますか?

「よき こと きく (善き事聞く)」

歌舞伎の役者の遊び心から生まれたこの模様。
真っ先に映画、「犬神家の一族」を思い出したのは私だけでしょうか…(汗)

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こちらも歌舞伎から生まれた模様。
さて、答えは…?

答え合わせは、旧来住邸に足を運んで、ぜひ確かめてみてください。


そしてお話を聞いて一番驚いたのは、この艶のある黒漆で書かれている文字。

全てフリーハンドの一発書きで仕上げられているという事なのです。

斧(よき)の柄の部分など、細かい直線も一発勝負。
何事もなく話されるのですが職人さんの底力を思い知らされました。

ちなみに黒漆とは元来使われる生漆に蝋のススを混ぜて作られたもののことだそうです。


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竹を使った花器。

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ろくろを使うときはやはり真剣そのもの。
素材だけでも相当な価値のある木と向き合う姿は、木創人そのものです。
そしてお父さんの木地師としての記事(洒落です)を見て、同じ運命をたどられているのだなぁ、と親子3代という絆の深さをうかがい知ることができました。

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作業で使う道具たち、と、その使い方を教えてくれる河野さん。


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細い円筒を削るときはこの道具を使って、こんな風に刃を当てていくんだよ…

日本で最後の足踏みのろくろ。
それを使える職人が、河野さんで最後になってしまうには、なんだか惜しいような気がしてしまいます。

(かぶたっく)

2015年04月13日

〜三人展〜

4月1日〜14日までの間、旧来住家住宅ギャラリーでは三人展
が開催されていました。草木染の小西康博さん、陶器の長濱晋介
さん流木アートの日吉伸也さんです。今回三人の合同出展は
初めてですが、昔から友達のような雰囲気で、仲良くされていま
した。

まずは草木染の小西康博さんに、お話を聞きました。
小西さんは姫路市網干区に在住で、エリショウ工房を
営んでおられます。
草木染は植物の葉、枝、幹、樹皮、根などに含まれている
自然の色を布などに染めます。その楽しさは草木の種類に
よって思いがけない素敵な色との出合いであり、同じ植物
でも季節や染め方を変え、あるいは異なる染料(化学色素)
の重ね染めによって多彩な色を染めることができます。
染め上げられた色はどの色も、自然の色であり、やわらかく、
やすらぎのある色です。自然の偉大さ、美しさ、不思議さを
教えてくれます。


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植物のいろいろな部分を小さく小さく切り、水を入れて
焚きます。それを何度も繰り返し染め重ねて
自分の色をつくり出します。季節、気候、水によって
毎回違うので、同じものをつくることはできません。
デパートで売られている製品は化学染料から
できているので、同じものをたくさんつくれます。
だから草木染めは流通できませんと言われていました。

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草木染ストール、かなりオシャレです。
日焼け防止、冷暖房よけに最適!

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山野に自生する草木で、染草とされているのはすべて
薬草です。それを染めて衣料にするということは身を守り、
生を養うということです。自然との付き合いの中で、植物の
色素を発見し麻、絹、綿などに染める技を考えだした人の
歴史を感じます。


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服も染められます。

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次は陶器の長濱晋介さんです。加古川市ご出身で、中学校で
社会科を教えておられた元教諭の方です。退職後の平成21年
ご自宅に電気窯を構え、「陶ぎゃらりー 立和(りゅうわ)」を
開かれました。おわんや花器など生活に密着した作品づくりに
没頭されています。


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二年前に四国八十八カ所を巡礼中に、偶然出合った大谷焼に
魅せられ、今は備前焼と大谷焼の2本柱で作陶されています。


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退職の2年前、同市在住の備前焼作家、小山陶海さんの
陶芸教室に通い始められ、腕をめきめきと上げられました。


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長濱さんのギャラリーでは、土の素朴な持ち味を生かして
焼き上げた茶わんや鉢など約500点がずらりと並ぶ。
長濱さんは「ろくろの力をもっと身に付け、日常生活で手軽
に使ってもらえる作品を極めたい」と話されていました。

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陶芸を始めたきっかけは、「好きな酒は自分の ぐいのみ
で飲みたいから」だそうです。いいですね!!
器で酒の旨さが変わるって本当です(^。^)

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最後は、流木アートの日吉伸也さんです。
加古川市のご出身で流木工房 LEOを
されています。流木アートとは、川や海に
流れ着いた流木たち、木の枝や竹の根
何かに使われていたであろう板きれ・・・
すべてがJUNK(ゴミ・クズ)として見捨て
られ年月とともに朽ちていく。それらを、
拾ってきては水で木垢を落とし腐った
部分を削ぎ落す。穴があいたものは
それでいい。磨いてやると流木たちは、
生き生きとしてくる。長い年月を経た
流木たちに向き合う時、作品のイメージ
が膨らむと言われてました。


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川からドンブラコと流れてきた、お鍋のフタを使っての
作品です(笑)。おもしろい〜(^'^)

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何だと思いますか?
実は、せいろ蒸しの四角の木箱から
つくられた作品です(^^♪ 

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流木と、糸車の木輪のコラボです☆ミ


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できるだけ素材そのものを生かし、一つ一つ丁寧に
手作りした作品は、世界に1つの物です。
JUNKの再生、それが流木アートです。

(芋焼酎)

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