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2020年12月28日

【にっしーとさくらのへそある記】初詣で絵馬めぐり!疫病退散祈願も

こんにちは。今年もいよいよ残すところわずかとなりました。
コロナ禍とあって、年末年始は遠出は控えて地元の神社やお寺に初詣・・という方も多いのではないでしょうか。
せっかくなので、氏神さんだけでなく、市内の寺社を巡ってみるのもおすすめです。

干支の大絵馬めぐり

市内には、中学生の力作大絵馬が見られる神社が2か所あります。
高田井町の春日神社と、嶋の大津神社です。

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春日神社(高田井町)

heso_otsu_gaikan.jpg
大津神社(嶋)

春日神社の大絵馬は、西脇南中学校美術部のみなさんの作。NPO法人みなみ会の協力で、2014年(午年)の絵馬制作から始まり、今回で8作目となり、あと4年で十二支すべてが揃うのを目標に続けておられます。

秋は文化祭、そして11月上旬のアートグランプリと超多忙な美術部員のみなさんですが、そんな中、2年生16人のほぼ全員が図案を出して選考し、2年生1年生が助け合って製作されたそうです。

丑年の図案は、力強くも楽しげに躍動する丑と、その背景には明るく輝く太陽が描かれています。
図案の作者である小牧さん(2年生)は、
「コロナ禍ではありますが、でもがんばろう!来年もがんばっていこう!自分たちも絵馬を見る人もみんなが輝けるように」との思いを絵馬に込められたそうです。

12月5日の奉納神事の様子。
heso_kasuga_jomaku.jpg heso_kasuga_shugo.jpg

そもそも、南中美術部の大絵馬奉納がはじまったきっかけはこの昭和35年奉納の絵馬にあるそうです。

heso_kasuga_ema.jpg

かいつまんで話しますと、宮司さんがある日、社殿をお掃除されていた時、こちらの神馬の絵馬が落ちて額がこわれたそうです。額は宮司さんが自ら修復されたそうですが、その話を境内で当時の総代さんとしている時に、南中美術部のみなさんが先生と一緒に写生をしに参拝されて・・・。偶然にも役者が揃い、話がトントン拍子で進み、生徒さんによる絵馬製作が始まった、ということです。

・・・・・

それから8年目の今年、嶋の大津神社でも中学生による大絵馬が奉納されることになりました。こちらは西脇中学校美術部のみなさんの力作です。

大津神社ではこれまでプロに大絵馬製作を依頼されておられましたが、宮総代のお一人がNPO法人みなみ会の一員で、西脇中学校美術部の近年の活躍をご存じだったこともあって発案されました。コロナ禍でも何か明るい話題を!という思いで、宮総代さん、宮司さんみんなで賛成し、西中へ依頼されたそうです。

西中美術部は1年生から3年生まで合わせて19人。図柄作りは3年の丸山さんが抜擢されました。
丸山さんは「初めていただいたお話で、絵馬の知識もなかったので、どんな絵が絵馬にふさわしいのか、まずは過去の絵馬の図柄を調べるところから始めました。図書館に行って本を見たり、顧問の長谷川先生にアドバイスをもらったり、美術部のみんなの意見も聞いたりして・・」と、丁寧に図案を作り上げていったそうです。

11月28日の奉納神事の様子。
heso_otsu_tamagushi.jpg heso_otsu_okiyome.jpg heso_otsu_shugo.jpg

完成した絵は、座ってリラックスした丑を中心に、そのまわりに梅や牡丹などの花々が咲き、色とりどりの蝶が舞い、やさしくも華やかな雰囲気です。
「このご時世、お詣りに来られた方々が明るく晴れやかな気持ちになるように、よき年になるように、との思いを込めました」と、丸山さん。見た瞬間にぱっと心が明るく、暖かくなる絵ですよ。ぜひみなさんも見に行ってみてください。

heso_otsu_torii.jpg

春日神社、大津神社、どちらの絵馬も心のこもった素敵な作品です。
ぜひ初詣がてら絵馬めぐりを楽しんでみてください。

疫病退散を祈願するなら・・

西脇八幡神社の狛犬

西脇では、江戸時代にも疫病が流行ったことがありました。江戸時代末期の天然痘です。
幼い子どもがたくさん亡くなった病気で、西脇だけでなく日本全国で流行りました。
その時、西脇のコ岡左門という医師が「種痘」という当時最新の治療法を大阪(または江戸)で学んで帰ってきて、北はりま一円の人々を救ったという話があります。とはいえ、治療は簡単ではなく、治療法を学ぶのに3年ほどかかり、帰郷後も人々が新しい治療法をこわがってなかなか受け入れられなかったそうです。コロナ禍の今だからこそ、当時の人々の恐れや苦労が少しは分かる気がします。。。

西脇の八幡神社(下戸田)には、左門先生が天然痘治療の成功を神様に感謝して奉納したという狛犬があります。御本殿のちょうど前に鎮座している狛犬です。台座には「コ岡左門」とお名前が彫ってありますので、ぜひお詣りの際にご覧になってみてください。

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左門先生が奉納した八幡神社の狛犬

・・・・・

西林寺のケンケン塚

さらに時代をさかのぼり、江戸時代初期にも疫病の話がもう一つ。大津神社や西林寺などがある津万の里の話です。このときの病は、若い女性が次々と感染し亡くなったそうです。このとき、西林寺の覚栄というお坊さまが自らがその身代わりになろうと決心して入定し、疫病から村を救ったと伝えられています。入定とは、真言密教の修行の一つで生きながらに埋葬されるものです。覚栄法師の入られた座棺には空気穴となる青竹が2本差し込まれており、中からはケン、ケンと、覚栄法師が打つ鉦(かね)の音が聞こえてきたそうです。このとき、村中の人が生き仏である法師に涙を流しながら手を合わせて、鉦の音を聞き、それは七日七夜続いたと伝えられています。

今でもその塚は「ケンケンさん」「ケンケン塚」と呼ばれて崇敬を集めています。西林寺の山門の手前、参道の南側にその塚はあります。初詣での際はぜひ、コロナ平癒を祈願しにケンケンさんにもお参りください。

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西林寺のケンケン塚

(は)

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